助川電気工業株式会社

エネルギー・産業システム関連事業

丸線形状の超伝導線材の開発

素線製作工程
素線製作工程

現在弊社では住友重機械工業葛yび科学技術庁金属材料技術研究所と共同で「丸線形状の多層多芯構造ビスマス系酸化物超電導材の開発」を進めております。

酸化物超電導材は、金属系超電導材に比べ、臨界温度(電気抵抗がゼロになる温度)が高く、摂氏マイナス243度以下では、高磁界中において大きな電流を流すことができ、電流リード、電力ケーブル、強磁場発生用マグネット等への応用が期待されています。

今回開発した超電導線材は、予め脱ガス処理したビスマス、銅、カルシウム、ストロンチウムを定量配合した酸化物粉末を純銀製のパイプに充填し、パウダーインチューブ法により二層構造の素線にします。これを最大61本束ね、銀と銅の合金製のパイプに充填加工して、外径1ミリ、長さ2メートルの多層多芯構造で丸線形状(断面写真参照)の線材に仕上げ、摂氏900度程度で部分溶融熱処理を施します。性能試験の結果は、液体ヘリウム温度(摂氏マイナス269度)、磁場10テスラで、最大1平方センチあたり7万アンペア以上を流すことができました。

丸線形状の酸化物超電導線材断面図
丸線形状の
酸化物超電導線材断面図

従来の酸化物線材は、酸化物の特性上テープ形状にせざるを得なかったのですが、この超電導線材は、丸線形状の多層多芯構造のため、従来のテープ形状線材の問題点であった機械的強度の不均一性、磁界の異方性等が解消できました。このため、超電導マグネットへの応用においても、これまではテープ形状であるがためにパンケーキ状コイル(バームクーヘン状に巻いたコイル)にする必要がありましたが、今回開発した丸線形状であれば磁場発生の均一性に優れたソレノイドコイル(丸線を管状に巻き付けたコイル)にすることが可能になりました。

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